FXとファンダメンタルズ分析|経済指標・金融政策・要人発言・地政学的リスクの基本を解説
金融政策は経済指標と並びFXのファンダメンタルズ分析において最も重要な要素の一つです。各国の中央銀行は政策金利の調整を通し景気のコントロールを図ろうとします。今回は主要通貨の中でも注目度が高い米ドル(USD)・日本円(JPY)・ユーロ(EUR)を中心にFXで必要な政策金利について学んでいきたいと思います。
政策金利とは?各国の仕組み
政策金利とは各国の中央銀行が金融政策上の目的を持って定める目標金利のことです。市中銀行に貸し付けを行う際この目標金利に近づけるよう誘導します。
主要通貨と政策金利の仕組み
| 通貨 | 中央銀行 | 会合名 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| USD(米ドル) | FRB(連邦準備制度理事会) | FOMC(連邦公開市場委員会) | FFレートの誘導目標が政策金利。約6週間ごと年8回開催 |
| JPY(円) | 日本銀行 | 金融政策決定会合 | 現在の短期金利は▲0.1%のマイナス金利(2016年?) |
| EUR(ユーロ) | ECB(欧州中央銀行) | ECB政策理事会 | 原則月2回開催・第1回目に政策金利を決定 |
米国ではFFレート(Federal funds rate・フェデラルファンドレート)の誘導目標が政策金利に該当します。米国はFOMCで示すFFレートの上下によって市場の資金供給量を調節しています。
日銀はオペレーション(公開市場操作)を行うことが可能で具体的には国債やETF等の買い入れを行い市中通貨量を増加させることで金利を低下させようとします。オペレーションの概要やスケジュールは日銀ウェブサイトで公開されています。
ユーロは取引量が多い通貨のため金融政策の動向が世界中から注目されています。終了後の記者会見は取引通貨に関わらずチェックされることをおすすめします。
政策金利と為替相場の関係
| 金融政策 | 行動 | 為替相場への影響 |
|---|---|---|
| 金融緩和(景気悪化時) | 利下げ→経済を活性化 | 通貨が売られる→自国通貨安の要因 |
| 金融引き締め(景気過熱時) | 利上げ→経済活動を抑制 | 通貨が買われる→自国通貨高の要因 |
FOMCとは?詳しく解説
FOMCはFRB(連邦準備制度理事会)が開催し政策金利や金融政策を決定する会合です。常任メンバーはFRB理事7名とニューヨーク連銀総裁・輪番制でニューヨークを除いた地区の連銀総裁から4名選出され計12名が投票権を持ちます。定期開催は約6週間ごと年8回で臨時開催される場合もあります。2日間の議論の後声明文の公表とFRB議長による記者会見があり3週間後に議事要旨が公表されます。
FOMCは各投票メンバーがハト派(金融緩和派)なのかタカ派(金融引き締め派)なのかといったことも見どころの一つとなっています。「FRBタカ派化」などとニュースで言われることもあります。その場合はドル高要因が出ているなとトレンド予測をすることができます。政策金利であるFFレートの誘導目標は0.00?0.25%といったように範囲で示されます。
FOMC開催2週間前の水曜日には地区連銀経済報告(ベージュブック)が公表されています。米国12地区の連邦準備銀行が管轄区の経済状況をまとめた報告書であり、FOMC議論内容のベースになるものとして注目されています。
FXと政策金利の実例
政策金利発表によって為替相場にどのような反応があったのかを見ていきましょう。2021/10/06・RBNZ(ニュージーランド準備銀行)政策金利発表がありました。事前の予想通りではありましたが前回0.25%→今回0.50%と引き上げになりました。

提供元:外貨ex byGMO株式会社
10/06 10:00の発表直後に小幅上昇・一旦売り優勢となりましたがその後はわかりやすく上昇を続けたことが見て取れます。「コロナ制限が緩和されれば景気の回復ペースが速まる」といった声明の発表もありました。
2021/10/28・ECB(欧州中央銀行)政策金利発表もありました。政策金利そのものは20:45に発表・前回から変更なく0.00%でした。

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ポイントは21:30から始まったラガルドECB総裁による記者会見です。会見前はやや弱含みでしたがタカ派よりの発言内容から急上昇し対円・対ドルともに強さを見せました。この間ドル/円はユーロ/ドル上昇の影響を受けてドル売り・値を下げる展開となりました。

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ドル/円(右側)はユーロ/円(左側)と対照的な動きになっています。ドル/円の取引においても、ユーロ圏のイベントには注意が必要ということがわかりました。
スワップポイントについて
スワップポイントとは高金利通貨を買って低金利通貨を売ったときに受け取りできる金利差調整分のことです。逆に高金利通貨を売って低金利通貨を買うとスワップポイントの支払いが生じます。代表的な高スワップ通貨ペアとしてトルコリラ/円(TRY/JPY)・メキシコペソ/円(MXN/JPY)・南アフリカランド/円(ZAR/JPY)あたりが挙げられます。新興国通貨は高金利が魅力ですが政治的・地政学的なリスクが極力小さいものを検討することが重要となります。
金融政策について学ぶことで米国以外の地域にも関心が持てるようになったのは良かったことだと思います。今回はFXトレードの楽しみ方の一つとしてご紹介させていただきました。実際に取引される場合はご自身の責任においてお試しくださいますようお願い申し上げます。
ご覧いただきありがとうございました。